民泊のアレコレ

 民泊、それは最後のフロンティア。
 これは不動産の活用方法の一つとして、宿泊施設の運営を企画し、インバウンド需要の取り込みに勇敢に挑む者たちへの記録である。

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昨今、何かと世間を騒がせている「民泊」。

厳密には「住宅宿泊事業」であったり「簡易宿所営業」であったりしますが、やはり世間一般に対する呼び方としては「民泊」をおいて他にないでしょう。

でも「そもそも民泊って、なに?」という方も少なくないと思います。

何となく「個人の家に旅行客を泊める」という認識でも間違いではありませんが、この機会にちょっと解説いたしましょう。

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●住宅宿泊事業

いわゆる「民泊」として広く一般的に認識される形態が住宅宿泊事業です。

文字通り「住宅」に「宿泊」させる「事業」というわけです。

個人と言わず法人と言わず、空き家(空き部屋)になっている物件の活用方法としてここ数年、かなり注目されています。

住宅宿泊事業はさらに「家主同居型」と「家主不在型」に大別されます。

両者の違いは読んで字の如し、ですね。

本来は「家主同居型住宅宿泊事業」がベースになり、そこに例外的な対応策として「家主不在型住宅宿泊事業」があるのですが、その違いはまた別の機会に。

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●簡易宿所営業

民泊と混同されがちですが、簡易宿所は「旅館業法」に定められた宿泊施設です。

旅館業法はホテルや旅館などと同様に簡易宿所、下宿などについても規定されています。

一軒家まるまるを利用して「1日1組限定」というスタイルもあれば、小規模のホテルのような形態もあります。

帳場(受付カウンター)の設置など、一般の住宅には不要の設備が求められることもあって、参入のハードルは決して低くありません。

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●住宅宿泊事業と簡易宿所営業

根拠となる法律が違います。

俗に「民泊新法」と呼ばれる「住宅宿泊事業法」は平成29年6月に成立した比較的新しい法律です。

それに対して「旅館業法」は昭和23年に施行された、半世紀以上の歴史がある法律です。

従来の旅館業法の枠に収まらない営業形態、いわゆる「民泊」の急速な普及により、これまで想定していなかった問題(騒音やゴミなど)も発生。

それに対応したのが住宅宿泊事業法です。

細部の規則の違いなど言い出したらキリがない(違う法律なので当然ですが)ので、代表的な違いはおよそ次のような感じでしょうか。

・営業日数の制限:
民泊=年間最大180日まで / 簡易宿所=制限なし

・帳場(受付カウンター)の設置
民泊=設置義務なし / 簡易宿所=設置義務あり

いずれも自治体の裁量により変更されている場合がありますので、実際に事業として民泊や簡易宿所の営業を考えている方は、まず自治体の保健センター等、専門の窓口にご相談ください。

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●民泊と簡易宿所、どちらがいい?

いずれも一長一短ありますので、どちらが良いのか簡単には決められません。

まず、設備の面では帳場(受付カウンター)の設置というのが大きな負担になります。

京都市では簡易宿所の場合は受付カウンター設置が必須ですが、他の自治体では条例で免除されている所もあるようです。

それ以外では大きく異なる部分はありませんので、言い換えれば帳場の問題さえクリアできればどちらでも良いということになります。

営業日数については、民泊の「最大180日」という制限をどう考えるか、といったところです。

もしお住まいの地域で帳場(受付カウンター)の設置が免除されるならば、簡易宿所営業にした方が日数の制限がないので収入は多いでしょう。

逆に帳場(受付カウンター)の設置義務があるのなら、民泊にした方が初期投資は少なくて済むかも知れません。

宿泊日数の申告方法なども含めて、トータルで考えるべきですね。

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民泊について、ごく表面的なお話をさせていただきました。

多くの人が関心を寄せている事業であるだけに、自治体も色々と対応をすすめています。

不動産をお持ちの方は「ビジネスチャンス」と捉える向きもありますし、民泊のために不動産を購入する方も多くいらっしゃいます。

経済的にプラスにならなければ事業として成立しませんが、求められるのはゲストさんへのあたたかいホスピタリティです。

せっかく興味を持って民泊/簡易宿所に事業者として参入しようとするのであれば「お金儲けが出来るかどうか」という視点と同じくらい「きちんと対応できるかどうか」という視点を大切にしてほしいですね。

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●免責事項
この記事の内容は2018年6月5日現在の法令を基準に作成しています。
今後の法改正、または自治体の条例等によって基準の緩和や厳格化が行われる場合があります。
実際に民泊の運営をお考えの方は、自治体の担当部署への相談をお忘れなく。

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