京都市の駆けつけ要件について

 時に西暦2018年、京都市の民泊は今、転換の時を迎えようとしていた。
 平成29年6月、民泊新法の施行以来規制を着々と強めてきた京都市は、遂に簡易宿所へその魔の手を伸ばし、事業者に対して駆けつけ要件を義務づける条例を可決したのだ。

 京都市における民泊=住宅宿泊事業のうち、家主不在型の最大のポイントの一つが「駆けつけ要件」です。

 条例により家主不在型住宅宿泊事業の場合は24時間対応可能な駆けつけ要員が800メートル以内(10分以内)にいなければならないとしています。

 問題は、この駆けつけ要件が簡易宿所にも適用されようとしている点です。

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●そもそも駆けつけ要件とは?

 京都市における家主不在型の民泊の場合、「何か問題が発生した場合、管理者(または事業者)が10分以内に現場に来ることが出来る」ということが求められています。

 これが駆けつけ要件です。

 地域住民にとってゴミの不始末や騒音問題など、何か起こったら関係者がすぐに現地に来るような体制を整えておく。

 必要か不要かの議論は脇に置いて、意図している所は理解できます。

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●簡易宿所に適用される?

 6月1日の京都新聞に、衝撃的な記事が掲載されました。

 簡易宿所営業にも駆けつけ要件が求められるというのです。

 すでに許可を得ている簡易宿所については2020年3月末までの猶予期間があります(猶予期間を短縮する話が出ているようです)が、駆けつけ要件が適用されるとなると、対応が必要な簡易宿所が多数出てくることになります。
 (京都新聞の記事によると1000程度の簡易宿所が対応を求められることになりそう、とのこと)

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●法的にどうなのでしょう?

 旅館業法に定められた要件を満たして簡易宿所の営業許可を取得したにもかかわらず、条例によって追加の規制がかけられる。

 事業として営んでいても駆けつけ要員を確保できないとなれば、場合によっては廃業をも視野に入れざるをえなくなる。

 各種のトラブルに対して迅速に対応することに異論はありませんが、そこまでする必要があるのかと考えてしまいます。

 もっとも、こういった規制をかけなければならないほどアウトローな、違法民泊が横行しているということの裏返しなのかも知れません。

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●免責事項
 この記事の内容は2018年6月5日現在の法令を基準に作成しています。
 今後の法改正、または自治体の条例等によって基準の緩和や厳格化が行われる場合があります。
 実際に民泊の運営をお考えの方は、自治体の担当部署への相談をお忘れなく。

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